はじめに
この記事では簿記についての概要と一年間を通してどのようなことをするのかを大まかにまとめています。
簿記とは
企業の利益や財産を把握するために必要な取引の記録。
簿記の流れ
- 取引の発生
- 仕訳
- 総勘定元帳への転記
- 試算表の作成
- 決算整理
- 貸借対照表・損益計算書の作成
- 帳簿(勘定)の締め切り
期間別に行うこと
毎日の作業
商品の仕入れ・販売・光熱費の支払いや従業員への給料の支払いなどで日々発生する取引を仕訳によって記録する。
続いて総勘定元帳に転記する。この時、日付順ではなく売上や現金といった項目ごとに記録をつけていく。
月に1度の作業
試算表を作成して仕訳・総勘定元帳への転記のミスがないかを確認する。
試算表には3種類存在する。3つの試算表は総勘定元帳への転記が正しければ最終的な合計金額が一致する。逆に一致しなければどこかで総勘定元帳への転記ミスが発生している。
- 合計試算表
総勘定元帳の各項目において、借方・貸方の合計額を記載する
- 残高試算表
総勘定元帳の各項目について、借方と貸方の合計の差額である残高を記載する
- 合計残高試算表
合計試算表と残高試算表を組み合わせて、総勘定元帳の各項目の借方・貸方の合計額と、残高を記載する。
年に1度の作業
会計期間と期初・決算日
税金の額を計算することなどを目的に、一年に一度利益や財産状況を確認する。利益は損益計算書で、財産状況は貸借対照表を作成することで把握する。この作業をするまでの期間を会計期間と呼び、会計期間の最終日は決算日と呼ばれる。また、会計期間の最初の日は期初と呼ばれる。
法人の場合は期初と決算日は自由に決めることができるが、個人事業主の場合は期初は1/1、決算日は12/31と決められている。
決算整理
決算日には決算整理を行う。毎月の試算表を作成したことで1年分の取引の記録が集計されているが今年度計上されるべきなのに記録されていないものや、来年度計上されるべきなのに今年度に記録されているものが存在する。そこで、今年度の利益を正しく計算するために修正する作業のことを決算整理と呼ぶ。
精算表の作成
決算整理後、精算表を作成する。精算表は、試算表から損益計算書や貸借対照表を作成するまでの過程をまとめた表のこと。精算表から損益計算書や貸借対照表が作られる。
総勘定元帳の締切
今年度分と来年度分の切り分けを行う。帳簿の締め切りや勘定の締め切りと呼ぶ。
まとめ
この記事では簿記の概要と一年間を通して行うことについてみてきました。
次の記事からは簿記の基本的なルールについてみていきます。
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