はじめに
この記事では簿記の基本的なルールについて確認していきます。
簿記について
会社や個人事業主は1年に1度、会社や店舗の利益や財産の状況を明らかにする必要がある。
そのため、モノを買う・売る・お金を貸す・借りるといった会社・店舗としての取引を日々記録していくことになる。記録の手段が簿記であり、これによって1年間の利益と財産の状況を計算することができるようになる。
簿記によって計算された利益と財産状況はある表としてまとめられる。利益は損益計算書、財産状況は貸借対照表になる。損益計算書ではお金をどれだけ使ってどれだけ利益を得た・または損失が発生したのかを記録しており、貸借対照表では現金・預金・借金などの財産の状況をまとめている。
仕訳の基本
借方と貸方
簿記では決められた用語(勘定科目)と金額をセットで記入することで記録していく。
この記録のやり方を仕訳と呼ぶ。例えば現金1000円で備品を購入した場合の仕訳は以下のようになる。
仕訳は1つの取引を左右2つに分けて記入する。左側は借方と呼ばれ、右側は貸方と呼ばれる。
借方では1000円分の備品が増え、貸方では1000円分の現金が減ったとして記録される。
借方 | 貸方 | ||
備品 | 1,000円 | 現金 | 1,000円 |
勘定科目の5つの要素
勘定科目は資産、負債、資本(純資産)、収益、費用の5つに分類される。どちらか一方の勘定科目で記入されたら、もう一方では別の科目を記入する。5つの要素は増減に応じて左右のどちらかに記入するかが決まっているため、以下にその内容を記載する。
資産
現金や預金、土地など、財産と呼ばれるものは資産に分類される。
資産が増えた場合は左側に、資産が減ったら右側に記入する。
負債
銀行からの借入金など、後々お金を支払う義務があるものは負債に分類される。
負債が増えた場合は右側に、負債が減ったら左側に記入する。
資産の逆として覚える。
資本(純資産)
事業をするために株主が出資するもの。これは資本(純資産)として分類される。
資本(純資産)は増えた場合は右側に、減ったら左側に記入する。
資本(純資産)は資産と負債の差でもある。
資本(純資産) = 資産 – 負債
収益
売上や利息などの資産が増える原因になるものは収益に分類される。
収益は増えた場合は右側に、減ったら左側に記入する。
費用
会社が事業を行うために必要な支出は費用に分類される。
費用が増えた場合は左側に、減ったら右側に記入する。
収益から費用を差し引くと利益を計算することができる。
収益 – 費用 = 利益
増えた場合に左側に記入するのは資産と費用の2つ。
増えた場合に右側に記入するのは負債、資本(純資産)、収益の3つ。
勘定口座と転記
勘定科目ごとに金額を集計する表を勘定口座と呼び、仕訳から勘定口座に記入することを転記と呼ぶ。
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